2005年11月10日

元ユニクロ社長の言うオーナーシップについて考える

日経産業新聞の昨日の記事。
元ユニクロの玉塚氏がリヴァンプ設立という記事。

以下引用。

「ユニクロで学んだこと、今後の展望――前社長玉塚元一氏 を読んで思ったこと。」

「今度始める再生支援事業というのはオーナーシップにこだわりたい自分にとって理想的なビジネスです。再生対象会社の経営にも責任を持って参画する。我々のこれまでの経験を生かし、挑戦できる分野です。」

引用終わり。

オーナーシップにこだわるとは、既にある企業の再生を支援することではなく、
自らがオーナーとなり退路を断って真の覚悟と主体性を持って取り組むこと
はないのでしょうか?という疑問が浮かんだ。
実質の創業者である柳井さんにはそれがあった。だから強いんだと思います。

それをまた、再生支援などという支援というあくまで第三者的な立場
やろうとして何が変わるのでしょうか?

もちろん、今回の再生支援会社の意義は別のところにあるのもわかります。
いわゆる財務的なリストラクチャリングだけではなく、真の意味での
事業の建て直しを経営の中身まで立ち入って入っていくことの必要性を
うたっている点は非常に志が高くて歓迎すべきことだと思います。
(一般的に事業再生というとカネ周りを解決する外科手術に終始して
本来、必要な営業・マーケティングなど売上面の回復などの内科治療が
できる人が少ないのが日本の現状です。)

ただ、玉塚氏の言うオーナーシップにこだわる云々になんだかとても
違和感を感じるわけです。しかも、キアコンの沢田氏と共同代表になる
わけですから、ますますリヴァンプ自体も主たるオーナーシップが曖昧に
なっていませんか?という突っ込みもしたくなる(笑)。

以下も面白いので続いて引用。柳井氏についてのコメント。

「経営者を目指す上で、ユニクロでは本当にいい勉強をさせてもらいました。やっぱり柳井さんはすごい人です。いまでも本当に尊敬しています。あの人の仕事に傾けるエネルギー、経営者としての決断の速さは半端じゃありません。あの人のエネルギー源は何か。創業者としてオーナーシップを持って自らリスクをとっている、そういうところから来ている。私にはオーナーシップの経験がない。私との決定的な違いがそこにあるんです。
ユニクロに残って別の仕事をさせてもらう選択肢もありましたが、このまま(雇われ経営者)では、本当の経営者として成長できないと感じたんです。
確かに「こんちくしょう」という思いもありましたよ。でもそれがエネルギーになるんです。誤解して欲しくないんですが、柳井さんへの思いは憎しみとは違うんです。
今はとてもかなわないおやじ(柳井氏)に追いつき、追い越したい、そんな気持ちです。やっぱり、柳井さんはでっかい目標です。」

引用終わり。

うーん。今後の動向が注目されます。

ちなみに、玉塚氏は玉塚証券(現新光証券)の創業家の生まれだそうで、
企業家の血筋をお持ちのようです。今後のご活躍が楽しみです。


yutaslogan at 23:53コメント(0)トラックバック(0) 

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Profile
伊藤 豊 スローガン株式会社 1977年11月に栃木県宇都宮市に生まれる。1996年私立開成高校卒業後、東京大学理科一類へ。文転し、文学部(行動文化学科心理学)卒業後、2000年に日本IBMに入社。システムエンジニア,関連会社にて新規ビジネス企画・プロダクトマネジャーを経て、本社のマーケティング部門にてプランニングワークに従事すると同時に、ベンチャー企業の設立に携わり、マーケティング、ウェブ系プロモーションを主に担当した後、スローガンを設立。現在に至る。 「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける」 スローガンGoodfindFacebookTwitterLinkedIn