2006年01月24日

企業活動の根底にあるもの

世界一の時価総額の企業を作る、という目標は一見、チャレンジングで夢のある目標のようにも思えますが、私は違和感を持っていました。売上XXX億円を目指す、であったりとか、業界NO.1を目指す、であったりとか、そういった目標はあくまで当該企業主体の視点での意欲の表れに過ぎず、創造する価値や社会的な存在意義とは無関係なのではないかと思います。

数値目標が悪いと言うつもりはありません。マネジメントする上で、具体的な目標を持つこと、こと数値化することはとても有効な手法です。
ただ、それらは、創造したい価値や社会的な存在意義がまず在って、その結果としてついてくるべき数字に過ぎないのです。それらだけを目標にしてしまうと何が起こるか?ということも今回の事件では教えてくれたように思います。数字だけが一人歩きしてしまって、そのためなら何をやっても良いという考えが自然と横行します。これは、何も異端と呼ばれたベンチャー経営者に限った話ではありません。営業の数字を達成することを至上命令にしている大企業の中でもよく見られることです。最近では、大企業ではその辺りへの警戒・配慮も欠かさず、コンプライアンス対策を怠らないわけですが。それでも、事件は現場でおき続けるのでしょう。

そんなことを思いながら、何が言いたいのかというと、コンプライアンスが大事だ、法令遵守の教育をもっと、という論調ではありません。

目標とすべき経営理念やビジョンの重要性について改めて思うのです。企業倫理だなんだと言いますが、根本にあるのは、企業理念や信条をしっかりと社員の隅々まで浸透させられるか?という言われ古された課題であると思います。

そんなもんは要らない、とか、頭ではわかるが実際は難しい、とか、言う前に、実際に必死でそれを成し遂げようと努力してみることだと思います。私は愚直に実践し続けるつもりです。

yutaslogan at 20:30コメント(4)トラックバック(0) 

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起業・経営 

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コメント一覧

1. Posted by 魯山人   2006年01月25日 22:31
5 伊藤さん、はじめまして。
ちょくちょく寄らせて頂いてましたが、コメントは初めてです。
今回の投稿だけでなく、伊藤さんから愚直で強い信念のようなものを感じ、楽しく訪問させて頂いております。
起業したてのようですが頑張って下さいね
2. Posted by yuta   2006年01月26日 00:11
魯山人さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
魯山人さんのブログも早速拝見させていただきました!とても読み応えある内容ですっかりファンになりました

今後もよろしくお願いします♪
3. Posted by acb   2006年01月26日 08:32
 そこが 新米社長といえども 避けて通れない いやだからこそこだわるところだと
考えています。
もっとも 事件がしっかり解明できたわけでもないので正しい活動か否かは問題にはならないんでしょうね。
社員を巻き込んで 社員をその気にさせて お互いに価値観を共有する その為には 崇高な 正しいビジョンこそ 大切だと・・・ね!!
4. Posted by yuta   2006年01月28日 10:48
>そこが 新米社長といえども 避けて通れな
>いいやだからこそこだわるところだと

なるほど、そうですね!
私の場合、新米だからこそ、そこにこだわれるのであって、もしかしたら、今後日々の経営に追われてビジョンや理念の大切さを忘れがちになる可能性もあるわけですし。
そうならないように、常に原点回帰を意識して頑張ります!

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Profile
伊藤 豊 スローガン株式会社 1977年11月に栃木県宇都宮市に生まれる。1996年私立開成高校卒業後、東京大学理科一類へ。文転し、文学部(行動文化学科心理学)卒業後、2000年に日本IBMに入社。システムエンジニア,関連会社にて新規ビジネス企画・プロダクトマネジャーを経て、本社のマーケティング部門にてプランニングワークに従事すると同時に、ベンチャー企業の設立に携わり、マーケティング、ウェブ系プロモーションを主に担当した後、スローガンを設立。現在に至る。 「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける」 スローガンGoodfindFacebookTwitterLinkedIn