2008年04月28日

MBAに憧れる若者心理

私も、昔MBAを取得したいと思った時期があります。新卒で入社して、1-2年目の頃です。
純粋に経営について勉強してみたいと思ったのと、なんかかっこいいと思ったのといろいろです。怠惰で不勉強な学生時代を送った反省からなんとかリカバリーはできないものかと思って、一発逆転の手段としてキャリアエリートの幻想を抱いたような感覚だったように思います。
しかし、いろいろな人の話を聞くにつれて、本当に経営者になりたいのであれば、悠長に留学して勉強などしている暇などないと思うようになりました。

高校・大学の同級生の中でも優秀な連中はきっとMBAにでも行くのだろうかと思って、社会人3-4年目の頃に参加した同窓会にて、キャリアプランを聞いてみると、「MBA?興味ないよ」「1-2年間も勉強だけのためにブランクを空けるのはもったいない」との答えしか返ってこなかった。「MBA行きたい」と言っているのはどちらかというと敗者復活戦的にコンプレックスをもっているタイプが多いように感じられました。

ちなみに、私の前職の大企業でも、MBAの社費留学制度が存在していたが、本当のエース級人材は応募していないケースがほとんどでした。エース級の人材はそもそも仕事の現場で活躍しており、留学など興味がないし、会社側も2年間も現場から手放すのはもったいないと考えて、社内の仕事を通して幹部育成をするのが基本です。

結局、仕事力や経営力というのは、現場を通して実践することでしか身につかないのです。経営者になりたいのであれば、経営の勉強を机に向かってするのではなく、経営者のそばで経営者視点で働く修業をするなり、自分で会社を経営してみるなりすることが一番早いのです。
何もうしろだてがない中で、経営を実践してみる、ベンチャーに飛び込んで経営者のそばで修業してみるというのは、ある種、リスキーかもしれません。それよりは、海外に留学して、英語もできるようになり、MBAという学位も履歴書に書けるようになる、方がなんとなく確かなものとして信じたい依存心(軟弱な心)もわからなくもないです。
しかし、リスキーだからこそ、価値があるのだと思います。

報われるとわかっていることは誰もが努力できます。
報われるかどうかわからないものを努力できる人が成功者になるのだと。

努力をして向上心があるように見えても実は安きに流れているMBA志向の若者よりも、安きに流れないたくましさがある若者が増えると面白くなると思っています。

yutaslogan at 11:37コメント(0)トラックバック(0) 

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Profile
伊藤 豊 スローガン株式会社 1977年11月に栃木県宇都宮市に生まれる。1996年私立開成高校卒業後、東京大学理科一類へ。文転し、文学部(行動文化学科心理学)卒業後、2000年に日本IBMに入社。システムエンジニア,関連会社にて新規ビジネス企画・プロダクトマネジャーを経て、本社のマーケティング部門にてプランニングワークに従事すると同時に、ベンチャー企業の設立に携わり、マーケティング、ウェブ系プロモーションを主に担当した後、スローガンを設立。現在に至る。 「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける」 スローガンGoodfindFacebookTwitterLinkedIn