2009年02月14日

正しい危機感

今年の就職活動生と会っていると、皆危機感を持っているので、昨年の売り手市場の就職活動生に比べると、危機意識をもっているだけ良い傾向かなと思っていました。

しかし、誤解していました。

今の学生が持っている危機意識とは、所詮、自分の就職に対する危機意識つまり「ちゃんと良い会社に就職できるだろうか」という危機感です。

私たちが昨年からずっと学生の皆さんに説明してきている、持つべき危機意識は、「日本の将来に対する危機感」です。このままではイマイチな国になってしまい、世界からも相手されなくなり、貧しい国になるという衰退シナリオをしっかりと認識すべきという話なのですが、この点の危機意識については、昨年の就職活動生同様に、今年の学生はまったく持っていない人が多いです。

個人的な就職への危機意識しか持ち得ないような人は、おそらく、安定・大手を求めて、いかにできあがったブランドの恩恵に授かるかを考えるでしょうし、大手志向はさらに強化されるでしょう。

一方で、正しく、日本の将来を考えて健全な危機意識を持っている人からすると、安定・安泰なものなどもはや永続しない、むしろこれまでの既得権益は崩壊に向かうとの予想から、大手に行っても無駄だと割り切り、新しい分野、これから伸びそうな分野に飛び込む勇気を持てるのではないでしょうか。

まずは、正しい認識と健全な危機感を持つことがスタートです。
今の大学生は、東大・早稲田・慶應などの学生を見ても、とても日本の知識層とは呼べないほど、その点不勉強で、世の中のこと、社会のことを知らない人が多すぎて驚いています。
※もちろん、一部に健全な危機意識をもつ、知性のある人たちもいますし、会っていますが、かなり少数でしょう。


yutaslogan at 19:01コメント(2)トラックバック(0) 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
気づきの言葉 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by yukis   2009年02月17日 08:30
おっしゃるとおりです。私も現在就職活動中の大学生ですが、なかなか大手(特に金融、商社)への未練は捨てきれませんでした。理由は両親の意見、給料、世間体、と言ったところでしょうか。どれも自分の人生を目一杯生きるにはtrivialな理由だと今では思えますが、つい最近までは本当に思い悩んでいました。現在はネット系のベンチャー企業と面接を進めています。私は理系ではありませんが、この会社の「日本をエンパワーメントする」という企業理念と意見が合致したのが一番の志望理由です。

もちろん大企業にも素晴らしい会社は幾つもあると思いますし、大企業だからこそ社会に恩恵をもたらしてくれているものも沢山あると思います。けど、新しい企業の姿、新しい価値観、新しい経済学を自分たちで作り上げてゆくというかっこよさ、やりがい、希望みたいなものには勝らない、と思えるような社会が実現すればいいなと思います。
2. Posted by いとう   2009年02月19日 10:50
yukisさん
コメントありがとうございます。そうですね。親の意見や周りの意見は所詮、自分の舵取りには関係ないわけですから、最終的には自分の頭で考えて道を選ぶべきだと思います。

何が親不孝なのか、というのは意外とわからないもので、親の言うとおりにすることが親孝行とは限りませんからね。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Profile
伊藤 豊 スローガン株式会社 1977年11月に栃木県宇都宮市に生まれる。1996年私立開成高校卒業後、東京大学理科一類へ。文転し、文学部(行動文化学科心理学)卒業後、2000年に日本IBMに入社。システムエンジニア,関連会社にて新規ビジネス企画・プロダクトマネジャーを経て、本社のマーケティング部門にてプランニングワークに従事すると同時に、ベンチャー企業の設立に携わり、マーケティング、ウェブ系プロモーションを主に担当した後、スローガンを設立。現在に至る。 「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける」 スローガンGoodfindFacebookTwitterLinkedIn