2009年12月16日
アラウンド30歳の逆襲て言いますが
今週の東洋経済の記事に、
アラウンド30歳の逆襲という特集が組まれています。私もアラウンド30歳の一味ですので、黙ってはいられません。少し考えてみました。
ついったー上でも、少し波紋を呼んでいるようですが、以下の点について私なりに考えてみたことがあるので、備忘のためまとめてみます。
◆サイバーエージェント社長らに社会起業家がおおいに叩かれている件
別に叩かれているわけではないと思います。誌面の構成上、同時に掲載されている社会起業家として紹介されている人たちが、批判される形に見えてしまっていますが。批判しているとされる藤田さんも成毛さんも松本さんも決して、駒崎さんはじめ掲載されている方々を批判しているわけではないと思うのですが、どうでしょうか。
批判しているとされる方々のご意見は、至極真っ当な意見であり、別に批判をしているわけではない。社会起業家、ソーシャルベンチャーブームの中で、収益モデルがうまく作れないことの免罪符として社会起業やソーシャルビジネスが使われることも実際あるわけで、その点を批判しているだけでしょう。しっかりと、収益モデルをつくれて継続性もった事業構築に取り組んでいるNPO、社会起業家の皆さんは決して批判されていません。
多くの社会起業家もどき、社会起業家ワナビーがたたかれただけだと思います。彼らを昔は青年起業家だったのに、年を取って成功したら若い世代を叩いていると批判するのは少し早とちりではないでしょうか。
◆慶應SFC出身者が多い件
「さすがSFC」とか出身者が自賛しているのは、愛校心と茶目っ気から微笑ましくもあるので、それはそれで何も言いませんし、実際に、あの年代(1997年卒-2000年卒の世代)のSFCにはすごい人、突き抜けた人が比較的多いのは事実かと思います。ただ、今のSFCはどうかというと、ちょっと違う気がします。
SFC開設は1990年らしいので、SFC1999年卒以前の世代は、卒業生の就職先や進路などまったくわからない、前例がない状態で学部を選んでいるリスクテーカーですね。つまり、開設間もない実績のない学部、しかも湘南の田舎にできた不便な場所にある大学ということで、保守的な人はまず行かない学部だったかと思います。私も1996年に大学受験をしていますので、記憶にありますが、慶應大学の総合政策学部と環境情報学部というのはよくわからないし、入試問題も特殊っぽいので、という理由で、ほとんどの人は受験さえしませんでした。私の高校のクラスの同級生でSFCに行ったのはゼロです(慶應の他学部は15名ほどいるはず。ちなみに当時の早稲田は凋落期で人気なくクラスで1名のみ)。
そんな状況の中で、SFCに入った人たちは、かなりベンチャースピリットというかフロンティア精神のある人たちだったのではと推測します。なので、その後、普通に就職せずに、ベンチャーを起業したり、ベンチャーに就職したり、当時はまだ比較的マイナーだったコンサルや投資銀行に就職したり、した後に、30歳前後で頭角をあらわしているすごい人たちが多いのだろうと思います。
年を追うごとにSFCもブランド化していき、定評ある学部として認知されてからは、保守的でブランド志向の人たちも集まるようになり、三田化していったのではないかと思います。
いつの時代も、どこでも、フロンティアを切り拓くたくましい若い人たちがその後、大成する一方で、エスタブリッシュメントに乗っかるような優等生たちは高いレベルで平均値に収束し優秀な凡人となり、突き抜ける偉才になる例は少ない。ということでしょうか。
「ブランドがまだ確立されていない世界で、自分たちがフロンティアをいくべし」というのが偉才になる覚悟のある若い世代へのメッセージでしょうか。
週刊 東洋経済 2009年 12/19号 [雑誌]
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アラウンド30歳の逆襲という特集が組まれています。私もアラウンド30歳の一味ですので、黙ってはいられません。少し考えてみました。
◆サイバーエージェント社長らに社会起業家がおおいに叩かれている件
別に叩かれているわけではないと思います。誌面の構成上、同時に掲載されている社会起業家として紹介されている人たちが、批判される形に見えてしまっていますが。批判しているとされる藤田さんも成毛さんも松本さんも決して、駒崎さんはじめ掲載されている方々を批判しているわけではないと思うのですが、どうでしょうか。
批判しているとされる方々のご意見は、至極真っ当な意見であり、別に批判をしているわけではない。社会起業家、ソーシャルベンチャーブームの中で、収益モデルがうまく作れないことの免罪符として社会起業やソーシャルビジネスが使われることも実際あるわけで、その点を批判しているだけでしょう。しっかりと、収益モデルをつくれて継続性もった事業構築に取り組んでいるNPO、社会起業家の皆さんは決して批判されていません。
多くの社会起業家もどき、社会起業家ワナビーがたたかれただけだと思います。彼らを昔は青年起業家だったのに、年を取って成功したら若い世代を叩いていると批判するのは少し早とちりではないでしょうか。
◆慶應SFC出身者が多い件
「さすがSFC」とか出身者が自賛しているのは、愛校心と茶目っ気から微笑ましくもあるので、それはそれで何も言いませんし、実際に、あの年代(1997年卒-2000年卒の世代)のSFCにはすごい人、突き抜けた人が比較的多いのは事実かと思います。ただ、今のSFCはどうかというと、ちょっと違う気がします。
SFC開設は1990年らしいので、SFC1999年卒以前の世代は、卒業生の就職先や進路などまったくわからない、前例がない状態で学部を選んでいるリスクテーカーですね。つまり、開設間もない実績のない学部、しかも湘南の田舎にできた不便な場所にある大学ということで、保守的な人はまず行かない学部だったかと思います。私も1996年に大学受験をしていますので、記憶にありますが、慶應大学の総合政策学部と環境情報学部というのはよくわからないし、入試問題も特殊っぽいので、という理由で、ほとんどの人は受験さえしませんでした。私の高校のクラスの同級生でSFCに行ったのはゼロです(慶應の他学部は15名ほどいるはず。ちなみに当時の早稲田は凋落期で人気なくクラスで1名のみ)。
そんな状況の中で、SFCに入った人たちは、かなりベンチャースピリットというかフロンティア精神のある人たちだったのではと推測します。なので、その後、普通に就職せずに、ベンチャーを起業したり、ベンチャーに就職したり、当時はまだ比較的マイナーだったコンサルや投資銀行に就職したり、した後に、30歳前後で頭角をあらわしているすごい人たちが多いのだろうと思います。
年を追うごとにSFCもブランド化していき、定評ある学部として認知されてからは、保守的でブランド志向の人たちも集まるようになり、三田化していったのではないかと思います。
いつの時代も、どこでも、フロンティアを切り拓くたくましい若い人たちがその後、大成する一方で、エスタブリッシュメントに乗っかるような優等生たちは高いレベルで平均値に収束し優秀な凡人となり、突き抜ける偉才になる例は少ない。ということでしょうか。
「ブランドがまだ確立されていない世界で、自分たちがフロンティアをいくべし」というのが偉才になる覚悟のある若い世代へのメッセージでしょうか。
週刊 東洋経済 2009年 12/19号 [雑誌]
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コメント一覧
1. Posted by 新卒君 2009年12月17日 14:22
SFCに対するご意見に対して>
なるほど、そう考えるとそうなのかな、と納得します。僕は2005年にSFCの高校を卒業しましたが、内部進学者の中でもSFCに行く奴は落ちこぼれ、医学部以外で頭が良い奴は法法・理工に行く・行きたい、みたいな雰囲気が明確にありましたね。
それでも(SFCでは)映像に関するプロジェクトを一生懸命やってる人がいたり、エリーカの研究やってたりと、良い噂もききますけどね。早慶で人に勧めるんだったらSFCは今でも多分一番チョイスです。
最近、小幡積さん、ホリエモン、神谷秀樹さんの本をよく読むんですが、みんな伊藤さんと似た主張をされていると思います。
なるほど、そう考えるとそうなのかな、と納得します。僕は2005年にSFCの高校を卒業しましたが、内部進学者の中でもSFCに行く奴は落ちこぼれ、医学部以外で頭が良い奴は法法・理工に行く・行きたい、みたいな雰囲気が明確にありましたね。
それでも(SFCでは)映像に関するプロジェクトを一生懸命やってる人がいたり、エリーカの研究やってたりと、良い噂もききますけどね。早慶で人に勧めるんだったらSFCは今でも多分一番チョイスです。
最近、小幡積さん、ホリエモン、神谷秀樹さんの本をよく読むんですが、みんな伊藤さんと似た主張をされていると思います。
2. Posted by いとう 2009年12月25日 12:01
コメントありがとうございます!
たしかに、SFCは良い噂も多いですし、いまだに早慶の学部の中で一番、良い意味で変人が多い気がします。SFC高校の中でも、法学部信仰が強いのは意外であり、残念ですね。
私はまだまだ未熟ですが、本質的な部分では皆さん、共通していきつくところがあるように思います。
たしかに、SFCは良い噂も多いですし、いまだに早慶の学部の中で一番、良い意味で変人が多い気がします。SFC高校の中でも、法学部信仰が強いのは意外であり、残念ですね。
私はまだまだ未熟ですが、本質的な部分では皆さん、共通していきつくところがあるように思います。