2010年01月21日

人材輩出企業の条件について

市場価値の高い人材を生み出す人材輩出企業の条件について、ここ数年間、いろいろな経営者や起業家の方々からお話をお伺いしたり、活躍するビジネスリーダーの方々の事例から見聞きしたりする中で、考え続けてきました。

こんなことを考えている動機は何かというと、

学生の皆さんに良い会社選び、仕事選びをしてほしいという想いはもちろんあります。

それ以上に、私がもともと今のスローガンの事業に取り組む使命感(こちらにまとめています)を感じたのは、国の宝でもある若い才能がどこの産業に行くかによって日本の将来が決まると考え、若い世代の就職活動での選択いかんによっては日本は本当に地盤沈下していって「いまいちな国」にどんどん成り下がる危機感を感じたからです。

私の問題意識をまとめます。

できあがった産業に才能が投入されてしまうのは、個人の能力開発という点でももったいないし、社会的にも損失が大きい。新しい産業・新しい事業を創る側にもっと才能が集結しなければならない。

ブランド・安定した大企業では、本当に市場価値の高い人は育ちにくい。
無名のできあがっていない組織において、恵まれないリソース(顧客・組織・商品)の環境でもがく経験が人を育てる。
できあがっていない組織が成長し、できあがる過程を当事者として経験し、自らが創りあげる経験をどれだけできるかが重要なので、成長産業で勝負する成長企業であることも、人を育てる大きな要因となる。

そう考えると、人材輩出企業は移り変わります。昔できあがっていなかった会社も今はできあがっているところはたくさんあります。
(このメッセージは以前のエントリー「人材輩出ラグ」でも触れました)

皆さんがもし、市場価値の高い人材として将来活躍したいのであれば、今時点で人材輩出企業として有名な会社では遅くて、20年前のリクルートみたいな会社、10-15年前の外資コンサル、外資金融みたいな会社、10年前のサイバーエージェントや楽天みたいな会社、4-5年前のDeNAみたいな会社。を探すというメンタリティが必要になります。

じゃあ、それってどこなの?
どうやって探せば良いの?という疑問が当然出てきますが、そのあたりは、長くなるので、また別のエントリーでまとめます。

※ちなみに、市場価値という言葉は、個人的にあまり好きではないのですが、わかりやすいですし、ひとりひとりが当事者としてわが身のことと考える上でキャッチーなので敢えて使っています。


昨日、GOOD FINDで発行しているメルマガコラムで上記のような趣旨のことを書いた号の抜粋を、大学生でありながらスローガンのスタッフとしてMVPを獲得した人気学生ブロガー加藤(@YoshiKATO)のブログかとう、なうでとりあげたところ、Twitter上で、鋭い分析で人気のブロガー@fukui_dayoさんや、Twitter上で鋭い発言で注目を集めているシンガポールの@ykatouさんまでもが共感していただけ、RTしてもらっている。@fukui_dayoさんには、ご自身のブログ「人と組織と、fukui's blog」でも取り上げていただき、誤解を与えないように大変ありがたい補足をいただいた。そのブログも、各地で引用され、フォロワー7000人超のライブドアメディア事業部長の@tabbataさんにもRTされていました。

まだご覧になっていない方もいるかと思いますので、原文を載せておきます。


■┓ 編集後記 『市場価値の高い人材を輩出する企業とは』
┗┛――――――――――――――――――――――――

今回は、新規事業や事業開発に関するセミナーや説明会をいくつか紹介しました。

近年、事業を創る仕事の重要性は高まり、事業マインドやベンチャーマインドを
持った人材層への期待が高まっています。

では、さまざまな業界で、活躍する事業家型人材(事業を創れる人)はどのような環境で生まれるのでしょうか。

いわゆる、人材輩出企業と呼ばれる会社が世の中には存在します。最近だと、リクルート、アクセンチュアなど。少し昔は野村證券や日本IBMなどが人材輩出として有名でした。

人材輩出企業の条件は何でしょうか?答えは明確です。

1つは、できあがっていない組織であること
2つは、成長産業で勝負する成長企業であること

この2つが大きな要素です。

賢い人はもうお気づきかと思いますが、上記2つの要因が重要であるとすると、人材輩出企業は、時代とともに変遷するという事実があります。

できあがってしまった組織からは、人材輩出しにくくなり、成長が鈍化した組織からも、人材輩出しにくくなる、からです。

したがって、今はリクルートもアクセンチュアも昔ほど人材輩出企業ではなくなっている可能性が高いです。昔のリクルート、昔のアクセンチュアに近い会社を探す必要があるのです。

人材輩出企業として知られるリクルート、アクセンチュアはともに、20年前は、あまり知られていない、ともすると親から反対されたり、友達からバカにされたりするような会社だったわけです。
できあがっていない無名の組織がどんどん成長し、10年ぐらい前になってようやく学生たちに人気の就職先として見られるようになりました。

リクルートは、東大生だった江副浩正氏が東大新聞の広告を売るところからスタートしたベンチャー企業でした。80年後半はリクルート事件のスキャンダル、90年代は、不動産投資失敗による借金返済(一時期、ダイエー傘下でした)に奔走した、できあがっていないアグレッシブな会社でした。
2000年代に入って、借金も返済し、本社も東京駅の上の立派なオフィスに移り、急速にできあがった大企業化していきました。
90年代以前にリクルートに入社し、そこで育った人たちは、事業家型の人が多いのは事実ですが、2000年以降の入社組からはどんどん、事業家タイプの人材が減っています。

アクセンチュアも、90年代の前半まで数百人規模の、無名の会社でした(当時はアンダーセンコンサルティング)。日本におけるコンサルティングビジネスの黎明期を立ち上げたメンバーは、できあがっていない組織において成長する会社の中で、自らがコンサルティング事業を創る側として活躍した人たちだったわけです。

つまり、当時のリクルートやアクセンチュアでは、今のようなブランドや既得権益、ノウハウなどもできあがっておらず、優秀な人材が切磋琢磨して新たな市場を創りあげ、事業を成長させていったのです。その中で、事業家的な人材がたくさん育ちました。

(もともと、親の反対や友達の目を気にせずに、比較的無名でブランドがまだない会社に入社する時点で、人と違うことをするベンチャーマインドをもった素質の高い人材が集まっていたという点も見逃せませんが)

いずれにしても、将来、自分は市場価値の高い人材となっていたいと思う方にとっては、既にできあがって既得権益のある会社ではなく、できあがっていない、成長産業の成長企業にて仕事を得て、自らの力で事業の仕組みを創り上げる
経験をどれだけ積めるかが勝負となります。

あなたが志望している企業は果たして、どんなステージにあるのか、すなわち、過去に先駆者たちが苦労して創りあげた仕組みに依存している企業なのか、それともこれから優秀な人材が仕組みを創れる企業なのか、いま一度考えてみると良いでしょう。

次回以降のコラムで、まだできあがっていない成長企業の中でも事業家型人材を生み出す条件を満たした会社の探し方について具体的な社名も交えてお話していきますので、お楽しみに。

伊藤 豊
スローガン株式会社 代表取締役社長

詳しいプロフィールはこちら




yutaslogan at 13:41コメント(0)トラックバック(0) 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Profile
伊藤 豊 スローガン株式会社 1977年11月に栃木県宇都宮市に生まれる。1996年私立開成高校卒業後、東京大学理科一類へ。文転し、文学部(行動文化学科心理学)卒業後、2000年に日本IBMに入社。システムエンジニア,関連会社にて新規ビジネス企画・プロダクトマネジャーを経て、本社のマーケティング部門にてプランニングワークに従事すると同時に、ベンチャー企業の設立に携わり、マーケティング、ウェブ系プロモーションを主に担当した後、スローガンを設立。現在に至る。 「人の可能性を引き出し、才能を最適に配置することで新産業を創出し続ける」をミッションに、人を軸にした新産業創出エコシステムをつくる活動に注力中。 スローガンGoodfindFacebookTwitterLinkedIn