2004年11月25日

<書評>隠れた人材価値

なぜ、平凡な人材で高い業績を上げることができるのか?平凡な人材でも1人1人がFullのポテンシャルを発揮することで偉大なパフォーマンスを達成できる。
これは、MckinseyのWar for Talentで示された、優れた希少人材がカギを握るという主張へのアンチテーゼだ。カリスマ、タレント性よりも価値観、ビジョンが大事だと説いたビジョナリーカンパニーにも通じるものがある。

この本の特徴は、優れた人材活用企業の実例をケース形式で記述して、読者に謎解きをさせるという趣向をこらしている点だろう。このようなアプローチは個人的に好感がもてる。本は答えではなく、あくまで考える材料だという姿勢。

そして、出てきた結論はというと、価値観と経営慣行の間の整合性・一貫性が重要である、というなんとも曖昧な抽象的な結論だったりする。

しかし、このような微妙なポイントもこの本を読み通していくつもの実例を読むことで暗黙知として自分の中に吸収されていくような気がする。

・社員をお客様よりも大事にする。
・社員を信頼して、誠意をもって話す/行動する

スターバックスなんかもまさにそうなのだけど、社員を一番大事にする会社が優れた業績をあげているという事実。
レイオフが当たり前で、株主至上主義で、雇用も流動的、といった固定観念をアメリカの企業社会に少なからず持っていたのでなかなか興味深く読むことができた。

ダグラス・マグレガー(「企業の人間的側面」)のX理論とY理論というものがあるが、基本的にY理論が実践できている企業が成功している、というのが本書の主張でもある。X理論寄りの考え・行動が少しでも出現すると、整合性・一貫性が損なわれて、次第にその企業は転落していくと。

しかし、本当にそうだろうか?文化の違い、東洋人と西洋人の考え方・思想の違いなどの話をちょうど聞いた後なので、日本ではどうだろうか??などと勘繰ってしまった。

隠れた人材価値―高業績を続ける組織の秘密 Harvard Business School Press


yutaslogan at 17:37コメント(0)トラックバック(1) 

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1. Hの転職  [ 思考遊戯 ]   2004年12月17日 20:42
 僕とスタバに新卒同期入社したHは僕が退職して数ヵ月後に退職した。 新卒3期入社は100名ぐらいだったはずだが、今は3分の1も残っていない様だ。年齢的にも27,8となると家族を持った人も多くて退職したくても出来なかったり色々な事情があるみたいだ。  以前.

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Profile
伊藤 豊 スローガン株式会社 1977年11月に栃木県宇都宮市に生まれる。1996年私立開成高校卒業後、東京大学理科一類へ。文転し、文学部(行動文化学科心理学)卒業後、2000年に日本IBMに入社。システムエンジニア,関連会社にて新規ビジネス企画・プロダクトマネジャーを経て、本社のマーケティング部門にてプランニングワークに従事すると同時に、ベンチャー企業の設立に携わり、マーケティング、ウェブ系プロモーションを主に担当した後、スローガンを設立。現在に至る。 「人の可能性を引き出し、才能を最適に配置することで新産業を創出し続ける」をミッションに、人を軸にした新産業創出エコシステムをつくる活動に注力中。 スローガンGoodfindFacebookTwitterLinkedIn