気づきの言葉

2010年08月27日

PayPalマフィアをさらにディープダイブしてみた

先日のブログ記事「ブランド企業に就職すると良いという誤解」について、件の予備校プログラム監修者の佐藤純さん(@j_sato)がブログ記事を書いてくれているの発見しました。ケンカ売るようなタイミング(笑)で書いた私の記事に丁寧に反応してくれた寛容なご対応に感謝です。


「就職先選びがブランド志向なのは当たり前」: これは価値観とは別の話(株式会社フルライフの社長ブログへのリンク)

PayPalマフィアについての記述について補足してくれています。とても丁寧な分析ありがとうございます。

PayPalマフィアって言っても、彼らの初職は、7名のサンプル中、コンサル3名、大企業2名、起業経験者1名で、もともとPayPalは1名のみだぜ、というご指摘ですね。

たしかにその通りですが、大企業2名ってのはちょっと違うかと。あと、起業経験者ってのも、括りとしては、初職=スタートアップという括りが適切かと思います。

各人について私の補足分析は下記のとおり。
______________________________________

Reid Hoffmanは初職アップルですが、90年前後のアップルを大企業(ブランド企業)と言って良いのか微妙ではないでしょうか?当時売りに出されるなど業績的にはずっと不振だったはずです。

Elon Muskは、ネイティブな起業家で、もとから初職がスタートアップで連続して起業を成功させるシリアルアントレプレナーですね。

Roelof Bothaは、初職は南アフリカのMckinseyですね。2年も経たずにやめてスタンフォードMBA、その後PayPalですね。

David Sacksはたしかに初職Mckinseyですが、1年も在籍せずに、PayPalの創業に参画しています。

Premal Shahは初職がMercerですが、1年半しか在籍せず、その後PayPalです。

Chad Hurleyは初職PayPal。

Jeremy Stoppelmanは初職がExcite@Homeという当時設立直後のスタートアップだったはず。6か月だけ働いて、スタートアップのPayPalにジョイン。
______________________________________

紹介されている7名についてのより正確なサマリーは、

コンサル3名(全員2年未満退職)、上場ベンチャー(アップル)1名、スタートアップ系3名(うち1名共同創業、1名 PayPal)

となりますね。


◆拡大版:PayPalマフィアの初職分析

実は、他にも重要なPayPalマフィアの主要メンバーがいまして、その人たちの中には初職PayPalという人が何名もいます。

(以下のとおり)
______________________________________

Max Levchin(Slide創業)の初職:スタートアップ(共同創業)
http://en.wikipedia.org/wiki/Max_Levchin

Steve Chen(YouTube創業)の初職:スタートアップ(PayPal)
http://en.wikipedia.org/wiki/Steve_Chen_(YouTube)

Jawed Karim(YouTube創業)の初職:スタートアップ(PayPal)
http://en.wikipedia.org/wiki/Jawed_Karim

Russel Simmons(Yelp創業)の初職:スタートアップ(PayPal)
http://www.yelp.com/management

Daniel Issen(AdBriteのVP)の初職:スタートアップ(PayPal)
http://www.crunchbase.com/person/daniel-issen

Jared Kopf(Adroll他創業)の初職:スタートアップ(共同創業)
http://www.linkedin.com/in/jaredkopf

Dave McClure(投資家)の初職:独立ITコンサルタント
http://www.linkedin.com/in/davemcclure

Keith Rabois(数々の企業の経営陣):Law Clerk(法務書記?)
http://www.linkedin.com/in/keith
______________________________________

私が追加した8名を加えて、15名の主要サンプルを分析すると、

コンサル3名(全員2年未満退職)、上場ベンチャー(アップル)1名、スタートアップ系9名(うち3名が共同創業、5名がPayPal、1名が別のベンチャー)、その他2名(独立コンサル、法律事務所)

となりました。

ということで、初職もスタートアップが多いということです。

(サンプルの取り方次第でどうでもなるじゃん?という指摘はあるかと思いますが、今回の15名でかなり主要どころ網羅してるはず
参照URL:PayPal Mafia(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/PayPal_Mafia


◆注目すべきは、初職が伝統的な大企業という人が皆無である点

伝統的な大企業を初職で選ぶ人は皆無であるという点が私としては注目すべき点かと思います。

私が主張したいのは、最初にブランド企業、有名企業に入らなくても、というかむしろ伝統的な大企業に入らない方が、若くして経営人材としてタレント化する可能性が高いのでは?という指摘です。

若くして起業家や経営人材になるには、初職がスタートアップまたはコンサルファームが良さそう、というのがこのPayPalマフィアの経歴分析から導かれる仮説ではないでしょうか。



◆コンサルファームが良い理由

上記PayPalマフィアの何名かの初職がコンサルである点は納得できます。MckやMercerなどのコンサルは、終身雇用ではなく、Up or Outのカルチャーで大部分の新卒ジュニアポジションの人たちは2年未満で退職する傾向があります。その1-2年の中で、ハードワーキングなカルチャーで、スピード感のあるアウトプットを求められるビジネスアナリストとしての経験は、ビジネスアスリートとしての基礎体力をつけるという意味があると思います。

それより何より重要なのは、「数年で辞めるのが当たり前のカルチャー」という点です。いずれ辞めると考えていれば、常にビジネスチャンスに敏感になり、PayPalのようなホットスポットを見つけてジョインすることもしやすいわけです。

(日本でもネットバブルのときにコンサル→ベンチャーの流れが起きました。コンサルがブランド企業だったからというよりも、単に終身雇用カルチャーではなく流動性の意識が高い人材の集まりだったコンサルからベンチャーに人が流れたと考えるべきかと思います)

ちなみに、日本でも、DeNAの南場社長やケンコーコムの後藤社長など初職がコンサルの経営者が何名かいらっしゃいますが、当時の日本におけるコンサル業界は、まだ黎明期にあり、「コンサルなんて日本では流行らない」「銀行蹴ってマッキンゼーなんてバカじゃないか?」と言われた時代です。南場社長の頃のマッキンゼーに在籍していた人から聞いた話だと、当時は今と比べて本当に無名な会社で、ブランドも何もなかったし、学生の間では少なくとも無名だった。そんな中良く分からずに入ってきた変わり者の集まりだったということです。

(まさに今のスタートアップと同じような感じじゃありませんか)


◆でもやっぱり、スタートアップや新興企業が良い理由

また、残りのPayPalマフィアの初職がスタートアップや新興企業だったりするケースが多いのも、納得できます。伝統的な大企業に入って、マネジメントの階段をゆっくり登ろうというタイプは、30代・40代前半までに起業家や経営者・投資家として活躍するには、時間軸的には難しいのではないかと思います。

スタートアップや新興企業であれば、事業の成長に組織の成長が追いつかずにいつも人不足の状況が生まれ、一人当たりの裁量が大きくなり、常に能力的なストレッチを強いられます。20代半ばでマネジャーに就任し、20代後半で部下を数十名率いるなんて経験は、スタートアップや新興企業にいかないと得難い経験です。そうすることで、若くして経営人材になるためのハシゴを登っていけるのです。


◆以上踏まえて、初職が伝統的な大企業では起業や若き経営者を目指すには不利であることを言いたい

私は、将来起業家になろう、経営者を目指すという学生がいたときに、「だったら伝統的な大企業に入ってもあまり役に立つ経験はできない。むしろ起業家や若くして経営者になるという志から遠ざかってしまう可能性が高い。

理想はスタートアップに近いところで優秀な経営陣の近くで仕事をすること。もし、その縁がなかった場合には、コンサルファームとか短期でスピーディに成長できる終身雇用じゃない環境で修行してからベンチャーに移るのも悪くない選択じゃないか」と話しています。

そもそも、この一連のお話は、「若くして経営人材・起業家を目指す学生」向けに話をしているので、それ以外の学生の皆様には、ブランド大企業を初職として選択すると良いのでは?、というのが至極真っ当で、助言する側もされる側も、リスクの低い、安全パイなご意見かと思います。これについては異論なしです。


※余談ですが、だからこそ、スローガンでは、優秀な経営陣がいる選りすぐりのベンチャー企業とコンサルティングファームに特化して就職機会の提供をしています。巷の新卒紹介業態とよく一緒にされがちですが、業態としては、セミナー開催・マッチングの場の提供の要素が強いです。「金に糸目付けないブラック無名企業に人を紹介しているあこぎな商売しているな」とかいう完全に的外れなコメントが一部からあったのでその点、誤解なきようお願いします。


※ここまで力説しても、結局これってシリコンバレーの話であって、日本では事情は別でしょ、的な思考停止は是非やめていただきたい。上記のような現象が起こる根本ロジックは日本でも適用されると思います。

※何を書いても言っても、「ポジショントークだからさ」とか「でも、この伊藤って人ははじめにブランド企業入っているんでしょ?」とか本質じゃない思考停止もやめましょう。ポジショントークだからさ、という思考停止の罠については別エントリーでまとめます。


併せて読みたいおすすめ記事
今就職するなら、「受け皿型企業」じゃなくて、「踏み台型企業」がいいかも
(ロケスタ社長日記より)

理想的なスタートアップのキャリアパス
(スローガンを持って生きよう 過去記事)


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2010年08月26日

就活を継続する2011生に送る「ジョブハンティングのすすめ」

就職活動を英語で表現すると、ジョブハンティング(Job Hunting)となるわけですが、この英語のHuntingという言葉に少しワイルドさを感じます。日本の就職活動生の多く(特に、志望度の高いところからの内定がなくて困っている学生たち)に欠けているのは、このワイルドさではないかと思っています。


文部科学省が今月発表した学校基本調査速報によると、今春卒業した大学生の就職率は60・8%で、前年からの下げ幅は過去最大のマイナス7・6%だった。進学も就職もしていない進路未決定者は約8万7000人で、高卒も含め15万人近くが行き場がない。

 就職情報大手「毎日コミュニケーションズ」のインターネットサイト「マイナビ」編集長の望月一志さんは「来春も今年と同程度か、それ以上の規模の未決定者が出るのでは」と危惧(きぐ)する。

(引用元)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100825-00000010-maiall-bus_all


就職先が決まらずに漂流している人の中には、とても優秀でイケている学生もいます。特に、留学から帰ってきたとか、海外大学に行っていたとか、いう理由で、日本の就職活動のピーク時期である3-4月を逃してしまった人たちは、その後、5月・6月以降に就職活動をしても苦戦してしまうという例がたくさんあります。

私は、ここ何年かこういった学生たちにお会いしてきて、この状況を何とかできないかと思い、いくつかの処方箋を考えてアドバイスしてきました。
そのいくつかをブログでも共有しようと思います。一部の学生たちに有意義なものとして役に立てば幸いに思います。



◆正面玄関が閉まっているなら勝手口を探そう

リクナビやマイナビなど大手ナビ媒体や企業の採用ページで、採用は締めきりました、終了しましたと書かれていて諦めてしまう人が大多数だと思います。あるいは、新卒採用自体をやっていない会社に興味をもった場合には、新卒はやっていないのかと、諦めてしまう人がほとんどでしょう。

しかし、正面玄関が閉まっていても、勝手口からなら入れる可能性がある会社が多いと思います。

どういうことか、例を挙げて説明しましょう。

例1).
実話ですが、通常エントリーは4月には締めきってしまい、新規のエントリーはできない、人気の上場企業に、卒業直前の2月にエントリーして入社を決めた学生の例があります。彼はツイッター上で、同社の社員と絡み、たまたま意気投合して、面接のルートに乗って、とんとん拍子で内定となり、入社を決めました。


例2).
私が以前訪問した会社で、ウェブサイト上には新卒採用の表記がなく、一般的には新卒採用をやっていないと思われている会社の社長がこうおっしゃっていたのが印象的です。「新卒採用ってコーナーがウェブ上になくても、たまに問い合わせてくる学生がいるんだよね。そういう学生は会ってみたいし、過去にそれで会ってみて採用した新卒がいますよ」と。


この2つの事例からわかることは、正面玄関を閉じる(リクナビや公式の採用ページをクローズする)のは、膨大なエントリーをさばく手間がかけられない以上、ある意味仕方ないことで、期間限定でオープンして、あとは閉じておくしかないのが人事採用スタッフの工数を考えると妥当と言えば妥当です。

しかし、実際に優秀な人(=自社の採用基準でイケている人)がいるなら、あと1-2名は採用しても良いと思っているケースも多いのも事実です。

しかし、そのいるかどうかわからないあと1-2名の優秀な人に期待して、膨大なエントリーをさばくのはご免だと思っているのが企業側の本音かと思います。

つまり、企業側に「お、この人は良いかも!」と思わせる方法があれば、採用ルートに乗ることはいつでも可能なのです。(勝手口から通してもらえる)



◆勝手口の見つけ方・入り方の具体的アプローチ紹介

アナログとデジタルの2つの方法があります。
とにかく、意中の会社の経営陣や社員の人と接点をもって、相手に興味を持ってもらうことが大事です。そこから「君面白いから、ちょっと家に上がって行きなよ」と勝手口が開かれて、「君、ところで就職先は決まっているの?え?まだだって?じゃあ、うちにおいでよ」という話になる可能性があるのです。


▼アナログ的手法

採用担当者や経営者の人に

- 手紙を送る
- 電話をする
- 夜討ち朝駆け(笑)

いずれにしても、御社に興味があるので面接を受けさせてほしい、新卒は締めきっている、あるいは採っていないなら、将来どこかで経験を積んでからでも入りたいと思っているので、是非一度このタイミングで話だけでもさせてほしい、と伝えると良いかもしれません。

手紙を送ってから、電話が一番丁寧なやり方だと思います。

手紙のコツは、どこの企業にも送っていると思われないようにカスタマイズすること。電話のコツは、いろいろありますが、採用担当者に電話をつないでもらえるように、うまい方法を考える必要があります。(これは皆さんの知恵次第です。営業力が問われます。例えば、テレアポの営業の本とか読むといろいろとコツが書いてあるので勉強になるかも)

夜討ち朝駆け(笑)は、社長の顔がウェブサイトで分かっている場合に、会社のエントランス前で、朝早くから社長の出社を待って、出社してきた社長にエレベータトークするという荒業です。よほどその会社に熱意があって、自分を採用すべきだ!という自信のある人かつ謙虚な人のみ、おすすめします。


▼デジタル的手法

- Twitterで意中の会社の人を探して絡む
- facebookで意中の会社の人を探して絡む
- LinkedInで意中の会社の人を探して絡む

Twitterのアカウントを実名でプロフィールもしっかり書いて運用しましょう。ブログをちゃんと書いてブログへのURLリンクもあるとなお良しです。上場企業の社長や役員の方々も意外とTwitter上にアカウントを持ってらっしゃいます。

※ちなみに、私も一部上場企業の社長とTwitter上でアポイントを取ったことがあります。

facebookやLinkedInも、日本の大学生はあまり使いこなしていないかもしれませんが、こちらも実名で経歴を公開している社会人が多いので、意中の会社の経営者や社員を見つけるのに使えることがあります。

絡み方としては、例えば、OBOG訪問的な感じで、御社のどこどこに興味があるのでお話を聞かせてほしいといった感じが良いかもしれません。

いずれのプラットフォームを使うにしても、自分のプロフィールをしっかりと晒して、ブログやTwitter等でコンテンツを発信している人であれば、絡んでいったときに、相手にしてもらえる率が高まると思います。

※基本的に本名を公開していない匿名のアカウントに絡まれた際には、無視する人が多いように思います。私も匿名アカウントから絡まれるとあまり対応したくないなと思うことが多いです。

◆最後に

ここまで読んでいただいた学生の皆さん、おそらく上記を本当に実行する人は、読者の100人中5人ぐらいだと思います。実際はこれをやると良いと知っても、実際にやる行動力のある人は5%ぐらいかもしれません。

なので、企業の皆さん、安心してください。私の記事の影響力はそもそも小さいですし、仮に多くの学生が読んだとしても、夜討ち朝駆けするような根性のある学生は5%もいませんので、皆さんの仕事を邪魔するほど、混乱を招くことはないかと思います。

ただ、この就職難の時代に、少しでも状況が好転するように、従順でおとなしくまじめすぎる学生たちに、少しのワイルドさをもってジョブハンティングする姿勢が出てくれば、機会創造につながるのではないかと、期待して書かせていただきました。


私が昔、会社の先輩から言われた言葉で若いころの行動指針になった言葉を最後に送ります。

「遠慮はするな。でも、礼儀は守れよ」

礼儀さえ守っていれば、遠慮なんていらないということで勇気が出ました。その分、最低限のビジネスマナー・礼儀は勉強しましょう。本一冊ちゃんと読むか読まないかで大きく違うので、自信なし人は必ず礼儀作法は勉強してください。

メールのマナーとかは意外と知らない学生が多いので、一度、チェックしてください。(参考リンク:「ワンランク上のメール術講座」



yutaslogan at 23:51コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2010年07月27日

「なくてはならない」会社でなくてはならないのか?

「なくてはならない会社を目指す」とか「なくてはならない商品・サービスをつくる」とかって聞くと正直、違和感があります。

※特定の何かを想定して言っているわけではなく、今までの経験上感じていたことですので、あしからず。

「なくてはならない」というのは、顧客にとって不可欠であるという意味で、とても素晴らしい価値を提供しているものだという前提があるのでしょうが、本当に顧客視点に立っていたら、自分たち(顧客)にとって不可欠なものが増えるとどう感じるでしょうか?と考えてみるとその違和感の正体がわかります。

自分たちが顧客だとして、不可欠に感じるサービスや商品があるとします。しかし、不可欠であるということは、なくなると困る、代替品がないということでもあり、不自由でもあるわけです。そうした不自由をお客様に強いてしまうサービスはどうなのだろうか?と思うわけです。

もちろん、競争戦略上の論点で、不可欠な提供価値を見出すべし、というのはわかるのですが、それをお客様にも見える形で押し出して「なくてはならない存在」をうたうのは、ちょっと違和感があるというお話です。

「なくてはならない商品・サービスを!」という発想は、一見して顧客志向な言葉のようでありながら、実は、とても自分たち都合な言葉であって、お客様都合の考え方ではないのではないかと。

私の考えでは、
そのサービスがなくても、他のサービスでもまあ何とかなるんだけど、やっぱりこのサービス・商品を使う方が圧倒的に良いんだよねと思ってもらえるようなもの。それがぐらいが良い塩梅ではないかと思っています。

例えば、
某大手就職ナビサイトなんかは企業や学生にとって「なくてはならない存在」かもしれませんが、企業も学生も喜んで使っている人は少ないかもしれません。その点、皮肉も込めて言うと、ビジネスとしては、とても優れていると思います。顧客もユーザも喜んで使っていないのに、使わざるを得ない状況を作り出し、毎年毎年使い続けさせるわけですから。顧客もユーザも喜んでいないけど、使わざるを得ない状態。極端に言うと、サービス提供主だけがハッピーなモデルも存在し得るわけです(もちろん、顧客、ユーザの中にも喜んでいる人はいると思いますが。いやいや使っている人も多いのも事実なので)

こんなことを考えながら、自分たちの目指すサービスのあり方、立ち位置、顧客への提供価値というものを深く考えています。まだ、答えは出ませんが、顧客もユーザも喜んでくれて、スローガンが存在して良かったと言っていただけるサービスをつくり続けたいと思います。

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2010年02月18日

理想的なスタートアップのキャリアパス

面白いブログ記事を見つけたので紹介したいと思います。
Chris Dixonさんのブログです。

startupcareerpath


プロフィールを見ると、このお人はどうやら、

・個人投資家としてスタートアップやアーリーベンチャーに関わる
・McAfee社に売却したSiteAdvisorの共同創業者CEOだった
・他にもウェブアプリケーションのスタートアップを大手に売却
・ヘッジファンドやベンチャーキャピタルに勤務していた
・ベンチャーキャピタルではSkypeの初期投資を手がけた
・ハーバードビジネススクールのMBA、コロンビア大学卒

のすごい人です。現在は、flickrの創業者とともに、集合知による意思決定支援サイトHunchの共同創業者となっているようです。


さて、何が面白いかというと、「The ideal startup career path」という記事です。つまり「理想的なスタートアップのキャリアパス」についてです。

その中で、次のような文章があります。


you shouldn’t think of joining a startup as just joining a company. You should think of it as joining the startup career path. This career path could mean starting a company as your first job. It could also mean working at a few startups and then starting a company.

(In my view, if your goal is to start a company, it is mostly a waste of time to work anywhere but a startup ? with the possible exception of a short stint in venture capital).

スタートアップに入るなら、1つの会社に入ると考えてはいけません。スタートアップのキャリアパスに入るのだと考えるべきです。このキャリアパスは、すぐに自分の会社をスタートする形で始まることもありえるし、あるいは、いくつかのスタートアップで働く経験を経て、スタートアップを自分で始めることだってありえる。

(私の考えでは、起業したいのであれば、スタートアップ以外の会社で働くことは殆ど時間の無駄だ。例外的な可能性がありうるとすれば、短期間だけベンチャーキャピタルで働くのは悪くないかもしれないが)


スタートアップ(創業段階のベンチャー企業)で経験することが、将来的に、自分でスタートアップを始める(起業する)のにつながる、というお話。

さらに、将来起業したいなら、スタートアップ以外の会社で働く経験はほとんど無駄だと言っています。

大企業とかコンサルとか経験してから起業しようと考えている人が多いように思いますが、これは間違いだと。唯一の例外は、ベンチャーキャピタル。でも、それもあんまり長くいない方が良いという感じ。



Maybe you will make some money working at a startup, but more importantly you will hopefully work for founders and managers who are smart and willing to mentor you and eventually fund or help you fund your startup.

The startup world is extremely small. If you’re smart, work really hard, and act with integrity, people will notice. Contrary to popular wisdom, you will actually have more job stability than working at a big company. And hopefully you’ll go on to start your own company, gain independence, and then help others do the same.

たぶん、スタートアップで働くことでお金をいくらか稼ぐかもしれないが、それ以上に重要なことは、将来、あなたに助言してくれたり、出資したりして助けてくれる優れた創業者や経営幹部の人たちと働くことになることだ。

スタートアップの世界はとても狭い。あなたがもし、賢くて、一生懸命働いて、誠実に行動してさえいれば、誰かが見ているものです。一般的には、大企業で働いた方が雇用の安定を得られると思われているけど、逆で、スタートアップで頑張る方が、大企業で働くよりも、雇用の安定を得られます。そして、うまくいけば、自分の会社を起業することになるだろうし、独立した地位を築くだろうし、いずれ、後進の起業家予備軍を助けることもできるようになるだろう。


これもとても良いメッセージです。

スタートアップの世界で頑張っている方が、大企業で働くよりも、よっぽど雇用の安定を得られる

要は、ちゃんと頑張っていれば、見る人が見ているため、いくらでも声がかかる。1社つぶれようが、また次の会社がすぐに見つかるし、優れた創業者や経営陣とのリレーションも濃く築けることが、将来的に自分が経営者になるときの財産になるのだというお話。

一般的には、大企業で働く方が人脈を作れると思っている人が多いように思いますが、実際に、起業家のメンターであり、資金的な支援者ともなりうる、濃い人脈は、大企業よりもスタートアップの方が得られるのは間違いないですね。(大企業でも幹部クラスになれば別でしょうが、それは20-30年かかります)

もっと読まれても良い文章だと思ったのですが、少し調べたら、日本語訳しているのも発見できなかったので、拙い翻訳ですが、日本語にしてみました。

ご興味ある方は、ぜひ、リンク先の全文をご一読ください。

p.s.

上記、文章を読んで、なぜそうなのか?という辺りをもっと知りたい方は、学生であれば、GOOD FIND「起業家・経営者を目指す人のためのファーストキャリアはどうあるべきか?セミナー」にて説明できますのでお越しください。

私自身の大企業での経験とスタートアップでの経験、そして、多くの先輩経営者、起業家からヒアリングした結果や、日本のスタートアップベンチャーを独自に調べた結果、上記とほぼ同じメッセージを論理的に説明できる自信があります。


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2009年08月22日

NHKふたり

NHK総合の「ふたり」という新しい番組を見ました。
プロフェッショナル仕事の流儀のディレクターでもある大学時代の同級生・堤田君がつくった作品です。ふたりの人物を主人公に、「絆」を描いていくドキュメンタリー番組だそうです。

ベルリン世界選手権・女子マラソンの日本代表の赤羽有紀子さんとコーチである旦那さんの世界への挑戦に密着した内容です。
夫婦で一つの大きな目標に挑戦できるというのは素晴らしい経験ではないかと思わされました。しかし、夫婦同士でそのような大いなる挑戦を共有できる関係を持っている人たちはめったに存在しないようにも思えます。ともに困難を乗り越える経験が絆を育てるのでしょうか。

今後この「ふたり」シリーズではどのような二人が登場し、どんな絆が描かれるのか楽しみです。

※テレビ離れが進んでいるように思いますし、私自身もほとんど見ませんが、一方で中には、このドキュメンタリーのように気づきと感動を生むコンテンツを作り出す力は称賛に値しますね。

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2009年08月21日

BCGも昔ベンチャーみたいだった件

本日は三谷宏治さんのセミナー。GOOD FINDでは2回目の開催ですが、今回は内容は、前回の決める力ではなく、発想力。

大好評で今回も満席。抽選漏れでお断りしてしまった方々もいるため、ご厚意により追加開催(これが最後)いただけることになっています。
お申込みはこちら(トップ戦略コンサルタントによる発想の視点力養成講座)。

内容についてはブログでは触れませんが、興味のある方はセミナーに是非参加してください。セミナー参加が難しい方、学生ではない方は、本を読んでみてください。


最後に、若いときから発想力を鍛えて自ら学び続けられた理由として、ベンチャーみたいな当時のBCG(社員30名規模)に入社して、研修も何もないところから自分たちで学ぶべきことを考えてきた経験を挙げてらっしゃいました。BCGも昔は注射の会社と間違えられるほどマイナーだったわけですが、グローバルファームだったのでベンチャーではないにせよ、日本においては無名、研修制度もない、新卒も育てかことがない、まさにベンチャー的な環境だったと言えるでしょう。そんな環境だったからこそ、三谷さんをはじめ昔のBCG出身のすごい人が育っていったのではないでしょうか。

いまは見えないものを見つけ出す 発想の視点力
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2009年08月05日

魅力的なベンチャーとは

先日、お世話になった恩人の方から、「伊藤さんはどのくらい本気で就職先としてベンチャーが良いと思っている?」と聞かれ、「100%本気です」と答えましたものの、「じゃあ、良いと思うベンチャーはどこ?」と聞かれて、少し返答に詰まってしまいました。

何をもって良いとするかは、非常に難しいところで、この場合、良い悪いはあくまで相対的に決まる価値基準かと思います。さはさりながら、一般論でいっても良いと言えるベンチャーはどこよ?という話になって、それは、ビジネスモデルとしても、経営者をとってみても、働く社員の身としてもすべての点で良いといえる会社というのはなかなか難しいのではないかという話に。

何社か社名を挙げてはみたものの、なかなかぽんぽんと挙がるものでもなんだなと改めて認識する良い機会でした。

でも、後で気づいたのですが、なかなか挙げにくいのは、ベンチャーに限った話ではなく、大企業も含めて良い会社とは?という命題自体が難しいのではないかということです。

それにしても、もっとあのベンチャーは良い会社だねーと言われるような会社がもっと多く出てくるように、自然とベンチャーの方が楽しそうだし、かっこいいと言われるように、いろいろと尽力すべきことがありそうです。

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2009年07月02日

面白い仕事

仕事って面白いなと久しぶりに思いました。

「久しぶりに思った」と言うと、普段はつまんないのか?とか誤解されそうですが、別につまらないわけではないのですが、特に、面白い!とかいう感覚ってなくて、「面白い仕事がしたい」とか言う人がいますが、あまり意味がわかりませんでした。

というのも、必死で仕事をしていると、面白いかどうかなんてのは関係なくて、ひたすら、期待に応えるとか、成し遂げたい状態を成し遂げることにコミットするだけであって、その行為自体が面白いとかつまらないとか感情論的部分は排除されていたように思います。

面白いから、楽しいから、好きだから仕事しているわけではなく、
これは是非やるべきだから、やらなければいけない(ポジティブな意味で)から仕事をしている、という感覚が近いです。

そんな自分ですが、久しぶりに、仕事って面白いなと今日思いました。きっかけは内緒ですが。ふとそう思える時間がありました。

「面白い仕事」「それ、面白いね!」と言ってもらえるような仕事をする。ということも意識していこうかなと思います。


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2009年06月02日

クリエイティブな営業

クリエイティブな営業というのが最近、ふと思ったテーマです。

何もクリエイティブな制作物を売る営業のことではなく、営業活動自体がクリエイティブであるということです。マーケティングにも近いのかもしれませんが、私たちのような小さな会社では、マーケティングもセールスもほぼ一緒です。つまり、誰に何を提案するかを一人一人が主導で考えることが多いわけです。そうすると、顧客候補の選定から、提案シナリオまで、ある種、「気づけるかどうか」が大事になってきたりします。

おそらく、いわゆる競合他社が提案に行っていないようなお客様に、誰ももってこないような提案で、お客様から感謝される提案ができるかどうか。といった点でクリエイティビティが試されるのだと思います。

最近は、採用マーケット以外にも、最近はお客様が増えているため、ますます上記のようなクリエイティブな営業が重要になってきたなと思っています。

日々、ゼロベースで自分たちのリソースと強みを見直して、世の中の動きとオポチュニティに目を光らせることが大切ですね。そして、出会った人たちの困っていることや関心ごとは何かを率直に聞いてみることなども、そうした気づきにつながるんだと思います。


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2009年05月28日

自分のタグは何か

本日はRCF藤沢烈さんと打ち合わせさせていただきました。インキュベーションのための取り組みや、アジアレベルでの事業展開のヒントや、次の20年で起こる大変化と取り組むべきテーマなどさまざまなポイントでディスカッションできました。毎度ながら、同世代で未来を創る勇気をもらえます。できることからすぐに取り組んで形にしていきたいと思います。

夜は、IBM出身者の会合に顔を出させていただきました。やはり40代・50代の先輩たちは、IBMが成長してきた良い時代を築かれた方々でエネルギーに溢れているように感じる。私の同期世代や今の20代世代とは明らかに人種が違うと思いました。ここでも在職中に尊敬していた先輩と再会し、また一緒に何かできそうとのことでうれしく思いました。

最近、会社にひきこもって、社内の仕事が多かったのですが、外に出てお話をするとやはり気づきや刺激が多いので、定期的に必要だなと改めて認識しました。あと、初対面での自己紹介をどのようにすると良いのか、ここ2日間で何十人と会っていることもあり、試行錯誤する中で、自己紹介フレーズも板についてきたかもしれない。(そもそもあまりうまくないのでちょっとした進歩にすぎませんが)

プロノバ・岡島悦子さんの本「抜擢される人の人脈力」の中で自分にタグ付けするというお話がありましたが、まさにどんなタグをつけるかを最近、考えていますし、今日、一連の流れの中で一貫して自分たちの活動のエッジは何かを考える機会になりました。

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2009年05月26日

感謝、ありがたさへのセンシティビティ

最近、まだ5月なのに暑い日が続きますが、オフィスも狭いスペースでわいわい働いておりますので、暑くて困っています。冷房を入れれば良いのですが、できるだけ節約しようと思い、窓を開けて涼しい風が入るようにしているのですが、問題が2点。

目の前のビルが新築工事中であり、騒音がうるさいこと(今年の秋に完成予定ということで、今夏は悩まされそうです・・)。そして、夜は虫が入ってくること。昼はうるさく、夜は虫が入る、という窓を開けづらい状況なのです。昔は、冷房がきいている快適なオフィスが当たり前のように感じていた自分がいましたが、そのときに比べれば今の方がいろいろな意味で感謝できる、ありがたみのわかる人間になれたと思うと幸せです。

はじめから恵まれすぎる環境で働くことに慣れてしまうと、いろいろな意味で感謝、ありがたさへのセンシティビティが鈍ってしまう点が実は仕事においても、人間として一番の欠損であり、諸々の問題につながるのではないかと思います。

こう考えることで、今の環境へ感謝する。そんな姿勢も大事かと。

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2009年04月02日

Academic Earth 無料の教育

MITが授業の教材を無料で公開したり、iTunesでStanfordが授業を無料でダウンロードさせたり、ネット上には、無料で教育コンテンツにアクセスできる方法がどんどん増えています。世界中どこにいても、インターネットさえつながれば、世界的トップレベルの知のコンテンツにアクセスできるようになってきているわけです。

先日、社内で話題になったサイトで、すごいなと思ったのが、
Academic Earth
です。世界レベルの有名教授の授業が無料で動画視聴できます。

1週間ぐらい前にも、TechCrunchの記事で、
Academic Earthは教育界のHuluを目指す
という記事で紹介されていました。

個人的には、アントレプレナーシップなどベンチャー系の講義をシリコンバレーの起業家などが語っている授業も含まれており、少しずつ視聴していこうかとたくらんでおります。
まだまだ学び足りないと思うことも多く、こうして、オンラインを通して、しかも、グローバルな規模で学び続けることができる今の時代は、つくづく恵まれているなと感じます。これだけ機会に恵まれて学ばない手はないですね。釣りゲームとかやっている場合ではないです(笑)。

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2009年03月23日

社会貢献とは何か

事業としての成長性×社会的な意義

成功する会社に必要な要素としてシンプルだけど、この2つを考えています。この2つはトレードオフではないのだけど、結果的にトレードオフな状態になってしまっている例が多い気がします。

事業としての成功度のみをもって、社会的な意義を主張するのは、間違いだと思っています。税金をおさめて雇用を生むことが社会貢献というのはもちろんですが、それだけですか?という話。

これだけ売上・利益が出ているのだから、世の中から求められている証拠だ、世の中に貢献している証拠だ、というのは間違っていると思います。もし、そのロジックが正しいのであれば、タバコ産業や麻薬などのドラッグ産業やピンク産業も売上が大きいので、社会的に意義があります、と言っても良いことになってしまいます。

本来であれば、社会的意義が高いものほど、共感を呼び、支持されて拡大発展していくべきものなのに。社会的意義が高そうな事業ほど、事業としてはうまくいっていない、あるいは、大きくなれない。

なぜでしょうか。

社会的な意義と主張するものがまだ弱い、あるいはピント外れなのでしょうか。ひとりよがり?その可能性もなくはないですね。

引き続き、考えたいと思います。


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2009年02月14日

正しい危機感

今年の就職活動生と会っていると、皆危機感を持っているので、昨年の売り手市場の就職活動生に比べると、危機意識をもっているだけ良い傾向かなと思っていました。

しかし、誤解していました。

今の学生が持っている危機意識とは、所詮、自分の就職に対する危機意識つまり「ちゃんと良い会社に就職できるだろうか」という危機感です。

私たちが昨年からずっと学生の皆さんに説明してきている、持つべき危機意識は、「日本の将来に対する危機感」です。このままではイマイチな国になってしまい、世界からも相手されなくなり、貧しい国になるという衰退シナリオをしっかりと認識すべきという話なのですが、この点の危機意識については、昨年の就職活動生同様に、今年の学生はまったく持っていない人が多いです。

個人的な就職への危機意識しか持ち得ないような人は、おそらく、安定・大手を求めて、いかにできあがったブランドの恩恵に授かるかを考えるでしょうし、大手志向はさらに強化されるでしょう。

一方で、正しく、日本の将来を考えて健全な危機意識を持っている人からすると、安定・安泰なものなどもはや永続しない、むしろこれまでの既得権益は崩壊に向かうとの予想から、大手に行っても無駄だと割り切り、新しい分野、これから伸びそうな分野に飛び込む勇気を持てるのではないでしょうか。

まずは、正しい認識と健全な危機感を持つことがスタートです。
今の大学生は、東大・早稲田・慶應などの学生を見ても、とても日本の知識層とは呼べないほど、その点不勉強で、世の中のこと、社会のことを知らない人が多すぎて驚いています。
※もちろん、一部に健全な危機意識をもつ、知性のある人たちもいますし、会っていますが、かなり少数でしょう。


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2009年02月11日

リーダーシップとは

無私。私利私欲のないこと。誰よりも献身的であること。共有できる使命感を提示できること。

では、この境地に至るにはどうすればよいのか。
これはわからない。

リーダーに必要な要素は何かと聞かれ、少し自分なりに考えてみた覚え書きです。まだまだ私はリーダー経験が浅いですし、経験も足りないのできっと数年後、10年後にはもっと本質を捉えたポイントを理解できていると思います。

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2009年02月05日

せこい発想

ロンドンの友人から、日本からロンドンに留学してきている学生たちが、驚くほど狭い範囲で考えて就職活動をしていることに驚いた、とのメールがありました。ロンドンにわざわざ来ているのに、帰国後の就職を考えて、日系企業のロンドン支社でインターンをしようとしたり、ちょっとせこい感じが残念とのこと。

私も日々、学生と接していて、せっかくいい大学に入ったんだからとばかりにそれがあたかも特権のごとく、いい大学からじゃないと入れない会社に入ろうとか、そういうせこい発想で大企業に行くことを考えてしまっている人が多いように感じます。やや過激な言い方をすれば、そもそも、日本の大学なんて最高学府といわれる東大でさえも、世界規模ではマイナーですから、「せっかくいい大学入った」的な特権は妄想に過ぎません。そんなせこい守りの考えに入るよりも、さらに貪欲に向上心をもって、先人たちが創りあげたできあがったブランドにのっかるのではなく、次の世代に富を残せるような次の波を創る側にまわる、たくましい飽くなき挑戦心を持つことが正しい姿のような気がします。

万人がそんなにたくましくなれないことは承知で言っていますが、本来そうあってほしい層の人たちが、軟弱なマインドになってしまっているのがこの国の将来をさらに不安にする要因ではないかと思っています。

われわれも批判だけではなく、ではどうすべきか?との解を真剣に考え、議論し、提示できる存在であり続けたいと思います。

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2009年01月19日

一目置かれるような発言

一目置かれるような発言とはどんなものだろうか?

例えば、
おすすめの本は何ですか?という質問を学生にしてみると、だいたいつまらない答えが返ってくることが多く、一目置かれるような発言ができる人は少ないです。

最近、当社の学生向けのセミナーで、上記質問を就職活動生に聞いてみることがあります。つまらない答えをする人が多いので、どうしたら面白くなるかについて考えてみました。

そもそも、何がどうつまらないのか?というと、自分のために勉強しているだけの本はやっぱりつまらないのだろう。

たとえば、よく名前の挙がるところでいうと、勝間本や金持ちお父さんとか。あるいは、コトラーのマーケティングとかMBAちっくな本。やっぱり、つまらない。極端な話、速読英単語とか英語の勉強本を挙げるのと同じような感覚。

勉強本以外で挙げるとすると、何があるのか?というと、例えば、マンガ、小説、思想・哲学・歴史など教養本。あるいは、勉強本も高尚に行き過ぎれば面白いかもしれない。古典とか。

他の人が言わなそうなことを言うという意識は、常に必要かもしれません。他の人がはっとするような気づきを与えられる発言ができるような人は一目置いてしまいますね。


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2009年01月12日

電気自動車

先月、シリコンバレーに行った際にも、グリーンテック関連ということで、電気自動車の話を耳にしたのですが、デトロイトのモーターショーのニュースで、また、電気自動車が取り上げられていました。

これはかっこいいですし、わくわくしますね。
Tesla Motors

※重要部品であろう電池は日本製らしいです。

デトロイトを中心にミシガン中心に発展したBIG3が苦境にあえぐ中で、カリフォルニアのシリコンバレーで、IT系の起業家が中心となって起こした電気自動車メーカーが早くも実用化したプロダクトを世に出しています。ガソリンで動く自動車の時代は、T型フォードが登場した20世紀初頭から100年近く続いてきたわけですが、これからの向こう100年は、電気自動車の時代かもしれません。当然、既存の自動車大手も研究開発をして、技術革新に取り組んでいるのは間違いなのですが、そもそも、組織体制や企業カルチャーが、ガソリン車の組み立て製造に半世紀以上かけて最適化された組織が、まったく新しい電気自動車の製造に最適化するためには、数々の困難がありそうです。この新しい課題に、新たにスタートアップで挑む身軽な会社の方が最適化され、より良いプロダクトを生み出す可能性が高いわけです。

自動車の例だけではなく、他にも、いろいろな業界で、過去の50年、100年との決別、そして新しい時代の技術や文化のパラダイムへの最適化を目指す新しい動きが起こってきているのかもしれません。
少なくとも、日本という国においては、人口増加から人口減少という大きな変換点を経験しているわけですから、新しい価値観や新しい考え方に最適化された組織に逆転の可能性があると期待したいものです。


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2008年11月11日

ヒストリー

先日、長銀が破たんした際に、長銀にいらっしゃって、現在は別の業界でベンチャーを経営されている経営者にお会いしてきました。

長銀が破たん際には、どう思われましたか?との質問に、

「金融の社会的使命は終わった」と思ったそうです。

戦後の復興期には、製造業とそれを支える金融ビジネスが重要な社会的使命を持っていたということです。その役割を1990年代にもう終えたのだということです。

その後のゼロサムゲームで勝ち負けを作り出すだけの金融ビジネスに、社会的使命はないと。これからの時代に、プラスサムの価値創造ができる分野は現在の社会的問題として認識されている、医療や教育、食糧問題、環境問題などなのかもしれません。

歴史的な視点で、世の中を見て、業界、会社を見ることはとても重要だと改めて思わされます。

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2008年11月10日

水桶

会社のビジネスモデルは、水桶のようなものだと感じます。

水を一生懸命に汲んで運ぼうとする運び手がいても、水桶に穴があったら、運べる水は減ってしまいます。運び手の頑張りが徒労に終わる可能性があります。同じく、会社のビジネスモデル(収益エンジン)がしっかりしていないと、せっかく会社のメンバーが頑張っても、手元に残るキャッシュは少ないままです。

水を運ぶ比喩でも言えることですが、水の運び手が途中で水をお腹いっぱい飲めているのであれば、桶に残る水は少なくてもかまわないかもしれません。しかし、運び手ものどをからからにさせているようであっては、水桶の作り手に責任があります。

水桶の作り手であるからには、水を干上がらせてはいけませんし、運び手ののどを潤すだけの役割は最低限の責務として守るべきでしょう。
それができないのであれば、作る権利はないということになります。


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Profile
伊藤 豊 スローガン株式会社 1977年11月に栃木県宇都宮市に生まれる。1996年私立開成高校卒業後、東京大学理科一類へ。文転し、文学部(行動文化学科心理学)卒業後、2000年に日本IBMに入社。システムエンジニア,関連会社にて新規ビジネス企画・プロダクトマネジャーを経て、本社のマーケティング部門にてプランニングワークに従事すると同時に、ベンチャー企業の設立に携わり、マーケティング、ウェブ系プロモーションを主に担当した後、スローガンを設立。現在に至る。 「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける」 スローガンGoodfindFacebookTwitterLinkedIn